アフリカ ラブストーリ



この荒れ果てた野原で生きるのは、我らの使命である。ここはアフリカであり、ここの生き物はすべて戦士である。私はトラスカ、この大地の子女であり、自分自身の光る魂を誇る。
けれども、もしあの日あの小池で水浴びしなければ、あの災いにも出会えなかったろう……恋という名の災い……
マサイの戦士、太陽と鮮血の子孫と呼ばれる勇者達、彼らはそこにとどまり、休みを求めた。枯れた密林の中から、私が見た、あの孤独な姿。そう、あの私の心を奪った男、アフリカの王者―ポポポロ様。
アフリカの日差しの下に輝き反射する禿げ、深く凹んだ両眼、野生ヤギのような閃く髭、とその人生経験を積った土色の歯(三本)……私は魅了されて、視線を彼から離せなくなってしまう。赤裸々な私は水浴びの途中だったのに……
ポポポロ様の目線が私と交わう瞬間、彼の鼻ピアスは軽く揺れて、真っ青な顔で後によけた。それは恐らく女性の裸を目に入ってしまった事から、恥しさを感じたのだろう。でもこの愛情を知らない乙女心はすべて今日、この素敵な方に捧げるためにあるのを気がついた。だから欣欣然と、私は何も隠さずに前へ出た。
「戦士たちよ、早くこの場から離れ!」とポポポロ様が冷静に号令を下した。その低く魅力的な声が再び私を虜にした。純粋なこの私の肉体を守るため、彼は戦士達を連れて素早く去っていた。
その日から、私は眠れなくなり、生肉も口に入ることができなくなった。
「トラスカ!あんた何やってんの?わたし達は彼らとは違うWORLDだYO!」私の親友クアババは叫んだ。
「それはYOU愚かな者の考えYO!所謂の違いは皆が決めたもので、真実の愛はCAN‘T STOPだWA!」
「けどYO!あのポポポロ様は四人のWIFEを持ってる上、もう85歳だよ!背低いし!(関係ないけど)」
「そんなことI DON`T CARE!ポポポロ様の優雅さと賢明さはYEARSとは関係NAI!」
ポロリっと、私は一粒の涙が落ちた。
 あまりにもEXCITINGしすぎて、その夜、私は我ら一族代代残した秘儀―夜這いを実行した。
月光も見えなくなりそうなアフリカの夜。私は地面に這いつくばり、ポポポロ様の匂いを追う。村人の屋敷に囲まれ、朝日のような赤いテントは、まさに王者の彼にいるべきところである。
私は頭をテントの中に入れ込んだ。視界に入ったのは、なんとポポポロ様の高貴な足の裏である。それを眺めて、私は思わず舌を出し、この可憐な双足を舐め始めた。彼は転寝、静かに起きた。けれど、私の姿を目に入った途端、ポポポロ様の表情は変わった、嫌悪と恐怖に……
「こ、これは……?!」「誰か!この奴を……!」
 そう、ポポポロ様にとって、私はただのBUSUだ、醜い生き物だ。この事実を受け入れられない私は、其の村から駆け出した。
 夜明けと共に、マサイの戦士達を引き連れ、ポポポロ様が私達出会ったこの小池にやって来た。彼の鬱の瞳は相変わらず……それは憎悪か、怒りか、私にはもう分からないが、旭を昇るように、私のこの溢れる想いはますます強く、強く、抑えられないくらい高まった。
「ポポポロ様!この純粋な愛を受け取ってください!私は!私は全身全霊であなたのことを愛しております!」叫びながら、私は両手を広げ、愛しい人のとこに向かって飛び込んでだ。
 同じ瞬間、石の矢は私の胸に飛んできた。裏切りされた痛みは全身に貫通し、目の前は真っ赤になった。この愛は一生かけても叶わない事は、今更痛いほど実感した。
 でもこの胸で愛する人の放った矢を受け取った私は幸せだ、本当に幸せだ。私はアフリカの天使達に生肉溢れるの天国に連れられ、空からこの小さな愛を永遠に見守りつづけるだろう。
「おい!捕まえたぞ!昨夜のトラだ!」






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© BD/nonoko - 2005

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